【保有株分析】Jトラスト(8508)
【売却】GLがらみの報道で2017年10月に売却しました。
韓国と東南アジアによる売上が半分近くを占め、海外収益拡大による成長を目指す金融事業者。国内事業基盤は一定の安定度+韓国と東南アジアではリスクをとって成長を急いでおり、後者の伸びが今後の株価趨勢を決定する。
①事業の成長は期待できるか
・確固たる強みは:債権回収業や与信ノウハウ。日本で得られた知見を東南アジアや韓国に応用している。リスクをとって攻めるほどノウハウが蓄積されていく事業構造と認識。特に、東南アジアにおけるマイクロファイナンス領域の知見は貴重。
・成長ストーリーは:シェア拡大施策として積極的なM&A、債権買取を続けており、韓国やアジアでの貸付残高を順調にふやしている。順調な経済成長が続けば、安定した利益が見込める。韓国での成長ストーリーは若干弱いが、東南アジアでは、マイクロファイナンスやJトラスト銀行の拡大余地、GL株価成長など、期待要因が多い。
②株価は割安か
・PERは割安か:18年予想に対して11倍。中計通りの進捗は困難とすると、PERは10倍前後が実力値と想定し、金融業全般としては割安とはいえない
・成長性やテーマ性は織り込まれているか:GL株価下落による影響は十分に受けており、加えて東証1部上場が直近で困難(赤字)になった失望売りから、織り込みは限定的と想定
③株価の成長は期待できるか
・テーマ性はあるか:GLマイクロファイナンス関連株
・一部上場による伸長はあるか:有。1部上場は強く意識している
・その他、成長が期待できる要因はあるか:M&Aで現在陣容をより強化できる策を講じることができるか
④リスクは許容できるか
・チャートは入りやすいか:上場来安値700円台を間近に見ており、下値リスクは限定的
・テールリスクは許容できるか:韓国、東南アジアの景気減速リスク。特に韓国での収益拡大ロジックは若干の弱さがあるうえ、経済自体も頑強ではないことからその点は懸念。
一定のリスクはあり確信とまでは至らないものの、中長期の成長戦略は理に適っており、購入してみたというところです。